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廃車をすると、支払い済みの税金や保険料の一部が戻ってきます。ひとまとめに「還付金」(払いすぎた分が返金されるお金のことです)と呼ばれますが、中身は3種類あり、申請先も条件もタイミングもすべて別です。
同じ扱いだと思って進めると、受け取り漏れが起こります。特に自賠責保険は自分で申し出ないと戻りません。このページでは3種類を分けて、それぞれ何をすればよいかをご案内します。
廃車で戻るお金は3種類ある
まず全体像です。廃車で戻る可能性があるのは、自動車税・自賠責保険・自動車重量税の3つです。
| 種類 | 申請先 | 戻る条件 | 申請の要否 | 入金の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車税(種別割) | 都道府県 | 抹消登録をすること。一時抹消・永久抹消のどちらでも対象 | 抹消時の税申告で処理される | おおむね1〜2か月後 |
| 自賠責保険 | 加入している保険会社 | 解約時点で有効期間が1か月以上残っていること | 自分で保険会社へ申請 | おおむね2週間〜1か月後 |
| 自動車重量税 | 運輸支局・軽自動車検査協会 | 解体をともなう手続きで、車検の残りが1か月以上あること | 抹消手続きと同時に申請 | おおむね2〜3か月後 |
この表から読み取っていただきたいのは、次の3点です。
- 自賠責保険だけは自分で動く必要がある
ほかの2つは廃車の手続きと一緒に処理されますが、自賠責は保険会社への連絡が別です - 重量税は解体しないと戻らない
一時抹消登録だけでは対象になりません。車体を残す手続きとの違いです - 入金の時期がそれぞれ違う
同じ時期に3つまとめて振り込まれるわけではありません。届かないと感じても、種類ごとに確認します
自動車税の還付|月割りでいくら戻るか
自動車税(種別割)は、その年度の4月1日時点の所有者に1年分が課される税金です。年度の途中で抹消登録をすると、使わなかった期間の分が月割りで戻ります。
戻る期間の数え方は決まっています。抹消登録をした月の翌月から、その年度の3月までです。抹消した月そのものは含まれません。
| 抹消登録をした月 | 戻る月数 | 抹消登録をした月 | 戻る月数 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 11か月 | 10月 | 5か月 |
| 5月 | 10か月 | 11月 | 4か月 |
| 6月 | 9か月 | 12月 | 3か月 |
| 7月 | 8か月 | 1月 | 2か月 |
| 8月 | 7か月 | 2月 | 1か月 |
| 9月 | 6か月 | 3月 | 0か月(還付なし) |
たとえば年税額が39,500円の車を9月に抹消した場合、39,500円 ÷ 12 × 6か月で、おおよそ19,750円が戻る計算になります。実際の金額は端数処理によって多少前後します。
計算に使う年税額は、排気量によって決まります。おおよその目安は次のとおりです。
| 排気量 | 年税額の目安 | 1か月あたり |
|---|---|---|
| 1.0リットル以下 | 25,000円 | 約2,083円 |
| 1.0超〜1.5リットル以下 | 30,500円 | 約2,541円 |
| 1.5超〜2.0リットル以下 | 36,000円 | 約3,000円 |
| 2.0超〜2.5リットル以下 | 43,500円 | 約3,625円 |
| 2.5超〜3.0リットル以下 | 50,000円 | 約4,166円 |
初めて登録された時期によって税額が変わるほか、新規登録から13年を超えた車は税額が高くなる扱いがあります。ご自身の車の年税額は、毎年5月ごろに届く納税通知書で確認するのが確実です。
排気量と抹消した月を組み合わせた金額の一覧は、還付金早見表の記事にまとめています。ご自身の車がいくら戻るか、表から探したい場合はそちらをご覧ください。
軽自動車税には月割の還付がありません
ここが最も間違えられやすい点です。軽自動車税(種別割)には、月割で還付する制度がありません。
軽自動車税は市区町村の税金で、4月1日時点の所有者に1年分が課されます。年度の途中で廃車にしても、その年度分は戻らないのが原則です。普通車と同じではありません。
- 軽自動車税は戻らない
年度の途中で廃車にしても月割の精算はありません - ただし重量税と自賠責は軽自動車でも戻る
3種類のうち戻らないのは軽自動車税だけです。まとめて諦めないでください
なお、軽自動車を手放すことが決まっていて時期を選べる場合、年度が変わる4月1日を挟むかどうかで1年分の課税が変わります。3月中に手続きが完了していれば、次の年度の課税は発生しません。急かすつもりはありませんが、時期に余裕がある場合は知っておくと判断材料になります。
自賠責保険と自動車重量税の還付
この2つは条件が対照的です。並べて確認しておくと混同しません。
| 自賠責保険 | 自動車重量税 | |
|---|---|---|
| 一時抹消でも戻るか | 戻る | 戻らない |
| 解体が必要か | 不要 | 必要 |
| 誰に申請するか | 加入している保険会社 | 運輸支局・軽自動車検査協会 |
| いつ申請するか | 抹消手続きが済んだ後 | 抹消手続きと同時 |
| 残り期間の条件 | 1か月以上 | 車検の残りが1か月以上 |
自賠責保険の解約返戻金
自賠責保険は、車を使わなくなった時点で解約すると、残っている期間に応じた金額が返金されます。これを解約返戻金(かいやくへんれいきん)といい、「自賠責保険の返金」「払い戻し」と呼ばれるのも同じお金です。車体を解体していなくても、一時抹消登録をしていれば解約できます。
ここで注意していただきたいのが、自動では戻らないという点です。廃車の手続きをしても保険会社には伝わりません。加入している保険会社(自賠責保険証明書に社名が書かれています)に連絡し、解約の手続きをしてください。
残り期間が1か月未満の場合は戻りません。また、解約の手続きをした日を基準に計算されるため、後回しにするほど戻る金額は減ります。廃車の手続きが済んだら、続けて連絡するのが確実です。
自賠責保険証明書が見当たらない場合でも、あきらめる必要はありません。車検証に自賠責の情報が記載されていることがありますし、車検を受けた工場やディーラーに問い合わせれば、どこの保険会社かが分かることもあります。証明書を紛失している場合の手続きは、保険会社が案内してくれます。
自動車重量税の還付
自動車重量税は、車検を受けるときに、次の車検までの期間分をまとめて前払いしている税金です。車検の期間が残っているうちに車を解体した場合、残りの期間分が返金されます。
条件は2つです。解体をともなう手続き(永久抹消登録・解体返納)であることと、車検の残りが1か月以上あること。一時抹消登録だけでは対象になりません。
- 抹消手続きと同時に申請する
後日あらためて申請することは原則としてできません。窓口で「重量税の還付申請も」と伝えてください - 業者に依頼する場合は還付の扱いを確認する
代行してもらう場合、還付金を誰が受け取るかは契約次第です
重量税は軽自動車も対象です。軽自動車税は戻らないため「軽は何も戻らない」と思われがちですが、重量税と自賠責は軽自動車でも戻ります。
還付金の受け取り方法
受け取り方は3種類それぞれ違います。先に全体の順番を示しておきます。この順で進めれば漏れません。
- 廃車(抹消登録)の手続きをする。このとき重量税の還付申請も同時に出す
- 窓口で交付された書類(登録識別情報等通知書など)を受け取り、保管する
- その足で、または後日、自賠責保険の保険会社へ解約を連絡する
- 自動車税の還付通知書が郵送されてくるのを待ち、届いたら受け取る
- 重量税の入金を待つ(最も遅く、2〜3か月かかります)
抜けやすいのは3番です。手続きが終わった安心感で忘れてしまい、気づいたときには残り期間が1か月を切っていた、ということが起こります。
1、自動車税の受け取り
抹消登録のときに税事務所へ申告すると、後日、都道府県から「還付通知書」または「支払通知書」が郵送されてきます。これを持って指定された金融機関やゆうちょ銀行の窓口へ行き、受け取るのが基本の流れです。
自治体によっては、口座振込を選べる場合もあります。通知書に振込先を記入して返送する方式です。通知書には受け取りの期限が設けられていますので、届いたら早めに手続きしてください。
なお、未納の自動車税がある場合は、還付されずにその分に充てられることがあります。
2、自賠責保険の受け取り
保険会社に解約を申し出て、書類を提出します。指定した口座に振り込まれるのが一般的で、店舗によっては窓口での受け取りに対応している場合もあります。おおむね2週間から1か月ほどで入金されます。
3、自動車重量税の受け取り
抹消手続きと同時に還付申請書を提出し、そこに記入した口座へ振り込まれます。処理に時間がかかるため、入金までおおむね2〜3か月を見ておいてください。3種類のうち最も遅く届くのが重量税です。
還付の手続きに必要な書類
廃車の手続きで使う書類とほぼ重なりますが、自賠責保険だけは別に用意するものがあります。
| 種類 | 必要なもの |
|---|---|
| 自動車税 | 抹消登録の手続きで提出する書類のみ。還付のための追加書類は原則不要 |
| 自賠責保険 | 自賠責保険証明書/抹消したことを証明する書類/印鑑/振込先の口座がわかるもの/本人確認書類 |
| 自動車重量税 | 還付申請書(窓口にあります)/振込先の口座がわかるもの/永久抹消登録・解体返納の申請書類一式 |
「抹消したことを証明する書類」は、手続きの種類によって名前が変わります。
- 普通車を一時抹消した場合
登録識別情報等通知書 - 普通車を永久抹消した場合
登録事項等証明書など、抹消を確認できる書類 - 軽自動車の場合
自動車検査証返納証明書、または解体返納を確認できる書類
いずれも廃車の手続きをした窓口で交付されるものです。自賠責の解約に使うため、受け取ったら保管しておいてください。廃車全体の必要書類は、手続きの解説記事でまとめています。
名義変更した車の自動車税はどうなるか
ここは廃車と扱いが大きく違います。名義変更(移転登録)では、自動車税は還付されません。
理由は単純で、還付は「車の登録が消えること」に対して行われるためです。名義変更は所有者が変わるだけで、車の登録そのものは残ります。課税も止まりません。
| 手続き | 登録 | 自動車税 |
|---|---|---|
| 一時抹消登録・永久抹消登録 | 消える | 翌月から年度末まで月割で還付 |
| 名義変更(移転登録) | 残る | 還付なし。課税は続く |
納めた税金は年度末まで有効なので、その車を使う権利も年度末まで残っています。年度途中で人に譲る場合、残りの期間分をどう扱うかは当事者どうしの話し合いになります。業者との売買では、残り期間分を金額に含めて精算するのが一般的です。
家族や知人に車を譲る場合は、この点でもめることがあります。金額は小さくないので、譲る前に決めておくと後が楽です。
もう一点、名義に関して間違えやすいのが「還付金は誰が受け取るのか」です。還付されるのは、原則としてその年度の自動車税を納めた方、つまり抹消時点の登録上の所有者です。車を使っていた方と登録上の所有者が違う場合、還付金は所有者のもとへ届きます。
所有者が亡くなっている場合や、複数人の共有名義になっている場合は、相続や持ち分の扱いが関わってきます。ここは戸籍や契約の内容によって結論が変わりますので、断定できません。都道府県の自動車税事務所や、専門家にご確認ください。相続した車を廃車にする場合の手続きは、相続した車の廃車手続きの記事で扱っています。
下取り・買取に出した場合の還付金
業者に引き取ってもらう場合、還付金の扱いは2通りあります。どちらが正しいというものではなく、業者ごとの方針の違いです。
| 扱い | 内容 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 買取額に含める | 還付金相当額を上乗せした金額を提示し、還付金は業者が受け取る | 提示額に還付金が含まれているかどうか |
| 別途返す | 買取額とは別に、還付された金額を後から渡す | いつ、どのように渡されるか |
問題になるのは、この説明がないまま話が進んだ場合です。買取額に含まれていると思っていたら含まれていなかった、あるいは後から返されるはずが連絡がない、といった行き違いが起こります。
防ぐ方法は単純で、申し込みの段階で次の3つを聞いておくだけです。
- 提示された金額に還付金は含まれていますか
含まれている場合、内訳として何円分なのかまで聞けると確実です - 別途返す場合、いつどのように受け取れますか
入金の時期と方法を確認します - 自賠責保険の解約は自分で行うのですか
代行してもらえる場合と、自分で連絡する場合があります
口頭のやりとりだけで進むと記憶が食い違いますので、書面やメールに残る形で確認しておくと安心です。
提示額そのものではなく、還付金まで含めた総額で比べてください。還付金を別途返す業者は提示額が低く見えますが、最終的に手元に残る金額では逆転することがあります。
なお、ディーラーの下取りに出す場合も同じです。下取りは名義変更になることも、抹消登録になることもあり、どちらになるかで還付の有無が変わります。見積書に還付金の扱いが書かれているかを確認してください。廃車を扱う業者の選び方は、廃車買取の解説記事でも整理しています。
廃車の還付金に関するよくある質問
「還付」「返金」「返戻金」は何が違いますか?
指しているお金は同じで、呼び方が分野で違うだけです。税金(自動車税・自動車重量税)では「還付」「還付金」、保険(自賠責保険)では「解約返戻金」「払い戻し」という言葉が使われます。どちらも日常の言葉に直せば「返金」です。書類を探すときだけ名称が変わる点にご注意ください。都道府県から届くのは「還付通知書」、保険会社から案内されるのは解約返戻金の手続きです。
還付金は自動で振り込まれますか?
自動車税と重量税は、廃車の手続きの中で処理されるため、あらためて申請する必要はありません。ただし自動車税は通知書が郵送され、それを持って受け取る方式が基本です。自賠責保険だけは自分で保険会社に連絡しないと戻りません。
一時抹消でも還付は受けられますか?
3種類で答えが分かれます。自動車税は一時抹消でも月割で戻ります。自賠責保険も解約できます。重量税だけは解体が条件のため、一時抹消では戻りません。
還付の申請に期限はありますか?
種類によって異なります。重量税は抹消手続きと同時の申請が原則で、後からの申請はできないと考えてください。自動車税は届いた通知書に受け取り期限が記載されています。自賠責保険は残り期間が1か月未満になると戻らなくなるため、実質的に早い者勝ちです。
還付金が振り込まれないときはどうすればよいですか?
まず、どの還付金を待っているのかを確認してください。重量税は2〜3か月かかるため、まだ処理中である可能性があります。自動車税は通知書が郵送される方式のため、住所変更をしていないと届きません。心当たりがない場合は、都道府県の自動車税事務所に問い合わせます。時期の目安と、届かないときの確認先は還付はいつ振り込まれるかの記事で詳しく整理しています。
引っ越しをして住所が変わっている場合はどうなりますか?
自動車税の還付通知書は、登録されている住所へ郵送されます。車検証の住所が古いままだと届きません。廃車の手続きをする際に住民票などで住所のつながりを示す必要がありますので、そのときに現住所が反映されます。すでに手続きを終えていて通知書が届かない場合は、都道府県の自動車税事務所に連絡して送付先を伝えてください。
リサイクル料金は還付金に含まれますか?
含まれません。リサイクル料金は税金ではなく、解体やリサイクルの費用としてあらかじめ預けているお金です。解体される場合は、その費用に使われるため戻りません。ただし車を輸出する場合は、返還を受けられることがあります。
廃車の還付金まとめ
3種類を混同しないことが、受け取り漏れを防ぐ一番の方法です。
- 自動車税…抹消の翌月から3月までが月割で戻る。手続きの中で処理される。軽自動車税は戻らない
- 自賠責保険…一時抹消でも戻る。自分で保険会社へ連絡する。遅らせるほど減る
- 自動車重量税…解体が条件。抹消手続きと同時に申請。入金は最も遅い
業者に依頼する場合は、還付金を買取額に含めるのか別途返すのかを確認し、総額で比べてください。ご自身の車でいくら戻るかを金額で知りたい方は還付金早見表の記事を、廃車の手続き全体を確認したい方は廃車手続きの解説記事をご覧ください。

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