廃車手続きの流れ|依頼先・書類・費用の全体像

廃車手続きの流れを示す図解。依頼先を決める、書類を準備する、手続きを進める、費用と還付を確認するという4つのステップを順に並べている

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廃車の手続きは、やることを整理すると3つしかありません。「手続きの種類を決める」「依頼先を決める」「書類を揃える」の3つです。順番に決めていけば、車に詳しくない方でも進められます。

ただし、普通車と軽自動車では窓口も書類も手続きの名称も異なります。ここを取り違えると窓口で手続きができません。このページでは全体像と分かれ道を示し、細かい手順はそれぞれの解説へご案内します。

目次

廃車手続きでやることは3つだけ

廃車の手続きは、正式には「抹消登録(まっしょうとうろく)」といいます。国に登録されている車の情報を消し、公道を走れる状態を解除する手続きです。これを済ませないと、車を使っていなくても自動車税がかかり続けます。

やるべきことは次の3つです。この順番で決めていけば迷いません。

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順番決めること判断のポイント
1手続きの種類を決める車を解体するか、残しておくかで「永久抹消」と「一時抹消」に分かれます
2依頼先を決める自分で/ディーラー/カー用品店/廃車買取業者の4つ。費用と手間が大きく変わります
3書類を揃える基本は4点。普通車と軽自動車で必要なものが違います

手続きそのものは、書類が揃っていれば窓口で1〜2時間ほどで終わります。時間がかかるのは、書類を揃える段階と、車を運ぶ段階です。

最初に車検証の「所有者」欄を見てください

3つを決める前に、ひとつだけ確認しておくことがあります。車検証の「所有者の氏名または名称」の欄です。

ここが自分の名前になっていれば、そのまま手続きを進められます。一方、信販会社やディーラーの名前になっている場合は、ローンの支払いが終わっていても登録上の所有者が自分ではないため、先に「所有権解除」という手続きが必要です。この場合、廃車の手続きはそのあとになります。所有者欄の確認方法と、支払いが残っている場合の進め方はローンが残っている車の記事で扱っています。

また、車検証の所有者がすでに亡くなっている方の名義になっている場合も、相続の手続きが関わってきます。必要な戸籍書類と進め方は相続した車の廃車手続きの記事にまとめています。いずれも珍しいことではありませんので、該当する場合は慌てず、それぞれの解説をご覧ください。

廃車手続きには2種類ある|一時抹消と永久抹消

「廃車」と一言でいっても、手続きは2種類あります。車を解体してしまうのか、車体を残しておくのかで選ぶものが変わります。

  • 一時抹消登録=車を一時的に使わなくするための登録手続き。車体は残ります
  • 永久抹消登録=車を解体したあとに行う登録手続き。車体はなくなります
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一時抹消登録永久抹消登録
車体の行き先手元に残る、または売却する解体される
また乗れるか再登録すれば乗れる乗れない
向いている場面しばらく乗らない/売却先を探す/海外へ輸出するもう乗らないと決まっている
自動車税止まる(月割で戻る場合あり)止まる(月割で戻る場合あり)
自動車重量税戻らない条件を満たせば戻る
手数料の目安350円無料
普通車(登録自動車)の場合。2026年8月時点の情報です。

迷ったときの目安は単純です。もう二度と乗らないと決まっていて、車を解体してもらうなら永久抹消登録。売却先を探している、輸出するかもしれない、いずれ再登録するかもしれないなら一時抹消登録です。

それぞれの手続きの流れ、費用、戻るお金の違いは一時抹消と永久抹消の違いの記事で条件ごとに整理しています。

なお、軽自動車ではこの2つの名称が違います。一時抹消登録にあたるものが「自動車検査証返納届(一時使用中止)」、永久抹消登録にあたるものが「解体返納」です。手続きの中身は近いのですが、書類の名前も窓口も別なので、あとの章で分けて説明します。

廃車手続きはどこでする?依頼先は4つ

手続きの窓口は、普通車なら運輸支局、軽自動車なら軽自動車検査協会です。ただし「自分で窓口へ行く」以外にも、代わりに手続きしてくれる依頼先があります。選択肢は次の4つです。

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依頼先費用の目安手間向いている方
自分で手続きする手数料350円+解体費用・運搬費は別途大きい(平日に窓口へ行く必要あり)時間に融通が利き、費用を最小にしたい方
ディーラー代行費用おおむね1〜3万円小さい買い替えと同時に任せたい方
カー用品店代行費用おおむね1〜2万円小さい近所で完結させたい方
廃車買取業者0円のことが多い。買取額がつく場合もある小さい費用を抑えたい方、車が動かない方
費用は車種・地域・車の状態によって幅があります。目安としてご覧ください。

ここで知っておいていただきたいのは、廃車には「買い取ってもらう」という選択肢があることです。ディーラーやカー用品店で「廃車にしたい」と相談すると、代行費用を払って処分する流れになるのが一般的です。一方、廃車を専門に扱う買取業者は、解体して出る部品や金属を収益にできるため、引き取りと手続きを無料で行い、車の状態によっては金額をつけることがあります。

どちらが良いかは状況によります。買い替えのタイミングで一括して任せたいならディーラーが楽ですし、費用を抑えたいなら買取業者が有利です。大事なのは、比べる前に選択肢を知っておくことです。

依頼先を決めるときは、次の3点を確認しておくと後から困りません。

  • 引き取りと解体の費用が見積もりに含まれているか
    「手続き代行のみ」の場合、解体費用が別途かかります
  • 抹消登録が済んだことを書面で確認できるか
    登録識別情報等通知書や解体の証明を受け取れるかを聞いておきます
  • 還付金の扱いがどうなっているか
    買取額に含める場合と、別途返してくれる場合があります

それぞれの費用と手間をさらに詳しく比較したい方は、依頼先ごとの比較記事をご覧ください。

廃車手続きに必要な書類

必要な書類は、基本の4点を押さえておけば大きく外しません。普通車と軽自動車で違うのは、印鑑登録証明書と実印が要るかどうかです。

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必要なもの普通車軽自動車
自動車検査証(車検証)必要必要
ナンバープレート(前後2枚)必要必要
印鑑登録証明書(発行後3か月以内)必要不要
印鑑実印認印で可
手続きの窓口運輸支局軽自動車検査協会
税に関する窓口運輸支局内の税事務所市区町村役場
本人が窓口で手続きする場合。2026年8月時点の情報です。

このほか、申請書(OCRシート)と手数料納付書は窓口に備え付けられているため、事前に用意する必要はありません。永久抹消登録・解体返納の場合は、解体を行った業者から伝えられる「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」も必要になります。これは解体が済んでから分かるものなので、業者から連絡が来るのを待ちます。

次のような場合は、基本の4点に加えて書類が必要になります。

  • 車検証の住所と現住所が違う
    住民票、または戸籍の附票(引っ越しを複数回している場合)
  • 所有者が亡くなっている
    戸籍謄本など、相続関係を確認できる書類
  • ローンが残っている
    車検証の所有者欄が信販会社等になっている場合、所有権解除の手続きが先に必要
  • 車検証を紛失した
    再交付の手続きが先に必要
  • 代理人に頼む
    委任状(普通車は実印を押したもの)/軽自動車は申請依頼書

状況ごとに必要な書類の一覧は、書類の解説記事で詳しくまとめています。同じページで印刷して使えるチェックリスト(PDF)も配布しています。

普通車の廃車手続きの流れ

普通車(登録自動車)の窓口は、車のナンバーを管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所です。平日のみの受付で、昼休みを挟んで午前と午後に分かれています。

一時抹消登録の流れ

  1. 車検証、印鑑登録証明書、実印を用意する
  2. ナンバープレート2枚を車から外す(前後)
  3. 運輸支局で申請書(OCRシート)と手数料納付書を受け取り、記入する
  4. 手数料分の印紙(350円)を購入して納付書に貼る
  5. ナンバープレートを返納する
  6. 書類を提出し、登録識別情報等通知書を受け取る
  7. 同じ敷地内の税事務所で自動車税の申告をする

最後に受け取る「登録識別情報等通知書」は、一時抹消が済んだことを証明する書類です。自賠責保険の解約や、あとで車を売るときに必要になりますので、必ず保管してください。

永久抹消登録の流れ

  1. 解体業者に車を引き渡し、解体してもらう
  2. 業者から移動報告番号と解体報告記録がなされた日を教えてもらう
  3. 車検証、印鑑登録証明書、実印、ナンバープレート2枚を用意する
  4. 運輸支局で申請書に記入し、ナンバープレートを返納して提出する(手数料は無料)
  5. 自動車税・自動車重量税の還付申請を同時に行う

永久抹消登録は、解体報告記録がなされた日から15日以内に申請することとされています。順番を間違えて先に運輸支局へ行っても手続きできませんので、解体が済んで業者から連絡が来てから動きます。

軽自動車の廃車手続きの流れ

軽自動車の窓口は軽自動車検査協会です。運輸支局ではありません。ここは間違えやすいところで、運輸支局へ行っても軽自動車の手続きはできません。

もうひとつ普通車と違うのが、税金の窓口です。軽自動車税(種別割)は市区町村の税金なので、市区町村役場への申告が必要になります。普通車のように運輸支局の敷地内で完結しない自治体もあり、その場合は2か所を回ることになります。

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普通車軽自動車
登録の窓口運輸支局・自動車検査登録事務所軽自動車検査協会
一時的に使わなくする手続き一時抹消登録自動車検査証返納届(一時使用中止)
解体したときの手続き永久抹消登録解体返納
税の窓口都道府県(運輸支局内の税事務所)市区町村役場
手数料一時抹消350円/永久抹消無料いずれも無料

手続きの流れそのものは普通車と大きくは変わりません。書類を揃え、ナンバープレートを返納し、窓口で申請します。ただし軽自動車は印鑑登録証明書が不要で、印鑑も認印で足ります。そのぶん準備は簡単です。

自分で手続きする方法、市区町村役場でやること、車が手元にない場合の扱いなど、軽自動車に特有の論点は軽自動車の廃車手続きの記事で詳しく解説しています。

廃車手続きにかかる費用の目安

費用は「手続きの手数料」と「車を処分するための費用」に分けて考えると分かりやすくなります。手数料そのものは350円か無料で、金額として大きいのは解体費用と運搬費です。

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費用の種類目安備考
登録手数料350円または無料手続きの種類による
印鑑登録証明書の取得300円前後自治体により異なる
解体費用おおむね1〜3万円業者により幅がある
運搬費(積載車)おおむね1〜2万円無料の業者もある
手続きの代行費用おおむね1〜3万円依頼先による
リサイクル料金預託済みなら追加負担なし未預託の場合は支払いが必要

合計すると、依頼先によって数万円かかることもあれば、0円で済むこともあります。廃車買取業者は解体後の部品や金属を収益にできるため、引き取りと解体、手続きの代行までを無料で行うところが多いためです。

費用の内訳と、0円にできる条件については廃車費用の記事で詳しく整理しています。

廃車手続きで戻ってくるお金

廃車をすると、支払い済みの税金や保険料の一部が戻ってくることがあります。戻るお金は3種類あり、申請先も条件もタイミングもそれぞれ別です。ひとまとめに「還付金」と呼ばれることが多いのですが、中身は次のように分かれています。

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種類申請先戻る条件手続き
自動車税(種別割)都道府県抹消登録をすると翌月から年度末までが月割で戻る抹消の手続きと同時に申告
自賠責保険加入している保険会社解約時の残り期間が1か月以上ある自分で保険会社へ申請
自動車重量税運輸支局・軽自動車検査協会解体をともなう手続きで、車検の残りが1か月以上ある抹消の手続きと同時に申請

特に注意していただきたい点が2つあります。

  • 自賠責保険は自動では戻りません
    加入している保険会社に自分で解約を申し出る必要があります
  • 軽自動車税には月割の還付制度がありません
    軽自動車税は4月1日時点の所有者に1年分が課される仕組みのため、年度の途中で廃車にしても返ってこないのが原則です

3種類それぞれの受け取り方法、必要書類、名義変更や下取りをした場合の扱いは還付金の記事にまとめています。

自分で廃車の手続きをする場合に知っておきたいこと

費用を最小にできるのは自分で手続きする方法です。手数料は350円か無料ですから、代行費用のぶんがそのまま浮きます。ただし、かかるのはお金ではなく時間と手間です。実際に必要になるのは次のような作業です。

  • 平日の日中に窓口へ行く
    運輸支局も軽自動車検査協会も土日祝は開いていません
  • 役所で印鑑登録証明書を取る
    普通車の場合は発行から3か月以内のものが必要です
  • ナンバープレートを自分で外す
    後ろのナンバーには盗難防止のための封印が付いており、これを壊す作業が必要です
  • 解体業者を自分で探して車を運ぶ
    動かない車の場合は積載車の手配も必要です
  • 永久抹消は解体後にもう一度窓口へ行く
    解体報告を待ってから15日以内に申請します

窓口へ行く回数は、普通車の永久抹消であれば少なくとも1回、書類の不備があればもう1回増えます。平日に動ける方であれば十分に可能ですし、実際に自分で済ませる方も多くいます。

判断の基準は「平日に半日〜1日を確保できるか」です。手順の詳細は自分で手続きする方法の記事で解説しています。

事故車・車検切れ・動かない車の場合

走れない状態の車でも、廃車の手続きは問題なくできます。押さえておきたいのは次の2点です。

1、車の運び方

車検が切れている車や動かない車は公道を走れないため、積載車(車を載せて運ぶトラック)で運んでもらうことになります。廃車買取業者や運搬を扱う業者が対応しており、引き取り無料としている業者もあります。自分で運ぶ場合は、市区町村役場で臨時運行許可(仮ナンバー)を取る方法もあります。

2、車に値がつく場合がある

外装や機関が損傷して使えなくなった車でも、使える部品や鉄などの素材に需要があるため、買取の対象になることがあります。処分費用を払うつもりだった車に金額がつくこともありますので、解体を決める前に一度確認しておくと選択肢が広がります。

なお、事故に遭われた場合、保険会社とのやりとりと車体をどうするかは別の話です。保険金の手続きが進んでいる最中でも、車体の処分先は自分で選べます。損傷した車の買取については事故車の買取の記事をご覧ください。

廃車手続きに関するよくある質問

廃車手続きはどれくらいの期間がかかりますか?

窓口での手続き自体は1〜2時間ほどです。全体では、書類を揃える期間と解体を待つ期間を含めて、おおむね1〜2週間を見ておくと安心です。業者に依頼する場合は、引き取りから手続き完了まで1〜3週間程度が一般的ですが、業者や時期によって幅があります。

車が動かなくても廃車手続きはできますか?

できます。手続きは書類で行うため、車が動くかどうかは関係ありません。必要なのは車を解体業者まで運ぶ手段で、積載車で引き取ってもらうのが一般的です。

車検証をなくしても手続きできますか?

車検証の再交付を受けてから手続きします。普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で再交付の申請ができます。廃車を業者に依頼する場合、この再交付から代行してくれることもありますので、相談してみてください。

廃車手続きは代理人に頼めますか?

頼めます。普通車は実印を押した委任状、軽自動車は申請依頼書を用意します。家族に頼む場合も同じ書類が必要です。業者に依頼する場合は、業者が書式を用意してくれるのが通常です。

手続きをしないまま置いておくとどうなりますか?

抹消登録をしない限り登録は残ったままなので、自動車税は毎年課税されます。乗っていなくても同じです。また車検が残っていれば自賠責保険の返還も受けられません。逆にいえば、手続きを済ませた時点でこれらは止まります。

廃車の手続きまとめ

廃車の手続きは、次の3つを順番に決めれば進められます。

  1. 手続きの種類を決める…解体するなら永久抹消登録、車体を残すなら一時抹消登録
  2. 依頼先を決める…自分で/ディーラー/カー用品店/廃車買取業者。費用は0円から数万円まで幅がある
  3. 書類を揃える…基本は車検証・ナンバープレート・印鑑。普通車は印鑑登録証明書と実印が必要

そして、普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会。ここだけは取り違えないようにしてください。窓口も書類も別の手続きです。

次に読むとしたら、費用を具体的に知りたい方は廃車費用の記事、戻るお金を確認したい方は還付金の記事、処分ではなく売却も検討したい方は廃車買取の記事が続きになります。

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