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廃車の手続きは自分でできます。国に納める手数料は350円か無料ですから、代行費用のぶんがそのまま浮きます。難しい書類作成もありません。
かかるのはお金ではなく時間と移動です。窓口は平日の日中しか開いておらず、解体業者の手配も自分で行います。このページでは実際の手順を窓口の回り方まで書いたうえで、どこでつまずきやすいかも隠さず並べます。読んだうえで頼むと決めても構いません。
自分で廃車手続きをする全体の流れ
まず、どちらの手続きをするかを決めます。車を解体するかどうかで作業量が変わります。
| 解体する(永久抹消/解体返納) | 車体を残す(一時抹消/返納届) | |
|---|---|---|
| 解体業者の手配 | 自分で行う | 不要 |
| 窓口へ行く回数 | 1回(解体後) | 1回 |
| 手数料 | 無料 | 普通車350円/軽自動車無料 |
| 重量税の還付 | 条件を満たせば戻る | 戻らない |
| 期限 | 解体報告記録がなされた日から15日以内 | 特になし |
手間が大きいのは解体をともなうほうです。解体業者を探して車を運び、解体が終わるのを待ってから窓口へ行くという段取りになります。しかも15日以内という期限が付きます。
2つの手続きの違いと選び方は一時抹消と永久抹消の違いの記事、手続き全体の流れは廃車手続きの解説記事で整理しています。
当日までに用意するもの
持ち物は多くありません。普通車と軽自動車の違いは、印鑑登録証明書と実印が要るかどうかです。
| 持ち物 | 普通車 | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | 必要 | 必要 |
| ナンバープレート2枚 | 必要 | 必要 |
| 印鑑 | 実印 | 認印で可 |
| 印鑑登録証明書(3か月以内) | 必要 | 不要 |
| 移動報告番号・解体報告記録がなされた日 | 解体する場合 | 解体する場合 |
| 還付金の振込先が分かるもの | あると安心 | あると安心 |
| 手数料(現金) | 350円+用紙代 | 用紙代のみ |
引っ越しをして車検証の住所が今と違う場合や、所有者欄が自分の名前になっていない場合は追加の書類が必要です。状況別の一覧は必要書類の記事にまとめています。窓口へ持っていくものは印刷用のチェックリスト(PDF)にまとめてありますので、あわせてご利用ください。
- 印鑑登録証明書は直前に取ります
発行後3か月以内という期限があるため、解体を待っているうちに切れることがあります - ナンバープレートは前後2枚とも必要です
後ろのプレートには封印が付いています。取り外しは窓口で行えますので、無理に自分で外さなくても構いません
普通車の廃車|運輸支局での手続きの手順
窓口はナンバープレートを管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所です。住んでいる場所ではなく、ナンバーの地名で決まります。「陸運局」と呼ばれることもありますが、同じ場所を指しています。
当日の流れは次のとおりです。建物の中で複数の窓口を回ることになります。
- 用紙販売窓口で申請書(OCRシート)と手数料納付書を買う。数十円です
- 一時抹消の場合は350円分の印紙を買い、手数料納付書に貼る。永久抹消は無料です
- 記載台で申請書に記入する。車検証を見ながら車台番号などを書き写します
- ナンバープレート返納窓口で2枚を返納する
- 登録窓口に書類一式を提出し、審査を待つ
- 手続きが済んだことを示す書類を受け取る(手続きの種類によって名称が異なります)
- 同じ敷地内の税事務所で自動車税の申告を行い、還付の受け取り方法を指定する
- 永久抹消の場合は自動車重量税の還付申請も同時に行う
書類が揃っていれば、混雑していなければ1〜2時間で終わります。ただし年度末の2〜3月と月末は混みます。この時期は半日を見ておくと安心です。
受付時間はおおむね午前8時45分から午後4時ごろまでで、昼の時間帯は受付を中断するところがほとんどです。土日祝日と年末年始は閉まっています。
軽自動車の廃車|軽自動車検査協会での手続きの手順
軽自動車の窓口は軽自動車検査協会です。運輸支局ではありません。同じ敷地内や近隣にあることが多いのですが、建物も窓口も別です。
- 用紙販売窓口で申請書と軽自動車税(種別割)申告書を買う
- 記載台で記入する。認印を押します(実印である必要はありません)
- ナンバープレート2枚を返納する
- 窓口に書類を提出する。手数料は無料です
- 手続きが済んだことを示す書類を受け取る
- 軽自動車税の申告を行う。解体返納の場合は重量税の還付申請も行う
普通車との違いは、印鑑登録証明書が不要で手数料も無料という点です。そのぶん準備は簡単です。ただし軽自動車税の窓口は市区町村役場で、協会内に窓口がない地域では役場にも行くことになります。
軽自動車特有の論点は軽自動車の廃車手続きの記事で扱っています。
自分で廃車手続きをやる場合にかかる費用
手数料そのものは安いのですが、金額として大きいのは解体費用と運搬費です。ここは自分で手続きをしても発生します。
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録手数料 | 350円または無料 | 手続きの種類による |
| 申請書・手数料納付書 | 数十円 | 窓口で購入 |
| 印鑑登録証明書 | 300円前後 | 普通車のみ |
| 解体費用 | おおむね1〜3万円 | 解体業者に支払う |
| 運搬費(積載車) | おおむね1〜2万円 | 動かない車・車検切れの場合 |
| 臨時運行許可(仮ナンバー) | 750円前後 | 自分で運ぶ場合。自治体により異なる |
| 交通費・駐車場代 | 実費 | 窓口までの往復 |
つまり、自分でやって浮くのは代行費用のおおむね1〜3万円です。解体費用と運搬費は残ります。この点を踏まえたうえで、次の項目を見てください。
自分で廃車手続きをやるときにつまずきやすいところ
実際に自分で進める方がつまずきやすいのは、書類ではなく段取りの部分です。先に知っておけば避けられるものばかりですので、正直に並べます。
- 窓口は平日の日中しか開いていない
土日祝日は閉まっています。仕事を休むか、半日空ける必要があります - 管轄が遠いことがある
窓口はナンバーの地名で決まります。引っ越して他県のナンバーのままなら、その県まで行くことになります - 解体業者を自分で探す必要がある
どこに頼めばよいか分からず止まりやすい部分です。費用も業者ごとに差があります - 解体後15日以内という期限がある
永久抹消は期限付きです。解体の連絡が来たら日を空けずに窓口へ行く必要があります - 車が動かないと運搬の手配が要る
車検切れや故障で自走できない場合、積載車を手配するか仮ナンバーを取ります - 書類が1点足りないだけで出直しになる
その日は受け付けてもらえず、往復がやり直しになります
特に多いのが、引っ越しをしていて住所がつながらないケースと、車検証の所有者が信販会社になっているケースです。どちらも窓口で気づくと、その日は手続きできません。出発前に車検証の所有者欄と住所欄を必ず確認してください。
車が動かない場合の運び方
自分で手続きをする方がいちばん行き詰まりやすいのが、この部分です。車検が切れている車や故障している車は公道を走れません。運ぶ方法は2つあります。
1、積載車で運んでもらう
車を載せて運ぶトラックで、解体業者まで運搬してもらう方法です。費用はおおむね1〜2万円ですが、引き取りを無料としている業者もあります。距離によって加算される場合もあるため、依頼するときに確認してください。
2、臨時運行許可(仮ナンバー)を取って自分で運ぶ
市区町村役場で申請する制度です。赤い斜線が入ったナンバープレートを借りて、決められた経路と期間だけ公道を走れるようにします。エンジンがかかって自走できる車が対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請先 | 市区町村役場 |
| 手数料 | 750円前後(自治体により異なる) |
| 必要なもの | 車検証、自賠責保険証明書、本人確認書類、印鑑 |
| 有効期間 | 数日程度(自治体により異なる) |
| 注意点 | 運行の目的と経路が限定されます。使い終わったら返却します |
注意したいのは、自賠責保険が運行する期間をカバーしている必要がある点です。切れている場合は先に加入し直すことになり、そのぶん費用がかかります。車検切れの車では自賠責も同時に切れていることが多いため、実際には積載車を手配するほうが簡単なことが少なくありません。
窓口へ行く前のチェックリスト
出発前にこれだけ確認しておけば、出直しになる可能性はかなり下がります。
- 車検証の所有者欄が自分の名前になっているか
信販会社名なら所有権解除が先です。故人の名義なら相続の手続きが必要です - 車検証の住所が今の住所と同じか
違う場合は住民票または戸籍の附票を追加します - 印鑑登録証明書の発行日が3か月以内か
普通車のみ。期限切れは受け付けられません - ナンバープレートを2枚とも持っているか
紛失している場合は窓口で理由書を書きます - 行き先が運輸支局か軽自動車検査協会か
普通車と軽自動車で建物が違います - 窓口の受付時間と昼の中断時間
管轄の窓口の案内で確認しておきます
廃車手続きを自分でやるか業者に頼むかの判断
費用だけを見れば自分でやるほうが安く済みます。ただし浮くのは代行費用のぶんだけで、解体費用と運搬費は残ります。一方、廃車買取業者に頼むと、その解体費用と運搬費まで負担してもらえることがあります。
| 自分でやる | 業者に頼む | |
|---|---|---|
| 手数料・代行費用 | 350円または無料 | 0円〜3万円(依頼先による) |
| 解体費用・運搬費 | 自己負担 | 負担してもらえる場合がある |
| 平日の時間 | 必要 | 不要 |
| 解体業者探し | 自分で行う | 不要 |
| 書類の不備 | 自分で対応 | 案内してもらえる |
解体費用と運搬費まで含めて比べると、自分でやるほうが必ず安いとは限りません。平日に時間が取れて、車が自走でき、車検証の名義と住所がそのままであれば、自分でやる価値は十分にあります。ひとつでも当てはまらない場合は、依頼先を比べてみてください。
依頼先は自分で手続きする方法を含めて4つあります。費用と手間の比較は依頼先の比較記事にまとめています。
自分で廃車手続きをする場合のよくある質問
市役所で廃車の手続きはできますか?
普通車も軽自動車も、抹消登録そのものは市区町村役場ではできません。役場で行うのは印鑑登録証明書や住民票の取得、仮ナンバーの申請、軽自動車税に関する届出です。登録を消す窓口は運輸支局か軽自動車検査協会になります。
代理人に頼むことはできますか?
できます。普通車は実印を押した委任状、軽自動車は申請依頼書を用意します。家族に頼む場合も同じ書類が必要です。平日に動ける家族がいれば、この方法で代行費用をかけずに済ませられます。
解体業者はどう探せばよいですか?
自動車リサイクル法にもとづく引取業・解体業の許可を受けた業者に依頼します。許可業者の一覧は都道府県のサイトで公開されています。費用と、移動報告番号・解体報告記録がなされた日を確実に連絡してもらえるかを確認してください。
1日で全部終わりますか?
窓口での作業は1日で終わります。ただし解体をともなう場合、解体が済むまでの日数が別にかかります。書類集めから数えると、全体でおおむね1〜2週間を見ておくと安心です。
還付金の申請も自分でするのですか?
自動車税と自動車重量税は、抹消の手続きと同じ日に同じ場所で申請できます。自賠責保険だけは別で、加入している保険会社に自分で解約を申し出る必要があります。これを忘れる方が多いので気をつけてください。詳しくは還付金の記事をご覧ください。
自分で廃車手続きをする方法のまとめ
要点は3つです。
- 手続き自体は難しくない…書類が揃っていれば窓口で1〜2時間です
- 負担は平日の時間と段取り…解体業者の手配と、解体後15日以内という期限があります
- 浮くのは代行費用のぶんだけ…解体費用と運搬費は自己負担のまま残ります
出発前に車検証を開いて、所有者欄の名前と記載されている住所を確認してください。この2つが今の自分と一致していれば、当日つまずく可能性はかなり低くなります。

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