本ページはプロモーションが含まれています。
「廃車の引き取りも手続きも無料」「動かない車でも買い取ります」と書かれていると、どこで儲けているのかが気になります。無料より、理由が分からないことのほうが不安になるものです。
結論から言えば、廃車買取業者は解体したあとの部品と素材を売って収益を得ています。だから引き取りと手続きを無料にでき、車の状態によっては金額をつけられます。このページでは、その仕組みを工程まで含めて説明します。
廃車買取の収益はどこから出ているか
ディーラーやカー用品店に廃車を頼むと代行費用がかかり、廃車買取業者に頼むと0円になることがあります。同じ車なのに違うのは、その車をどう扱うかが違うためです。
| 収益の出どころ | 内容 | 何で金額が変わるか |
|---|---|---|
| 中古部品として売る | エンジン、ドア、内装、灯火類などを取り外して販売します | 同じ車種が国内にどれだけ走っているか |
| 金属素材として売る | 鉄・アルミ・銅などを素材として販売します | 車の重量と金属の市場価格 |
| 海外へ輸出する | 車体や部品として、需要のある国へ送ります | 車種と現地の需要、為替 |
ディーラーやカー用品店は、車を売ったり整備したりするのが本業です。廃車は解体業者に渡すまでの取り次ぎにあたるため、その手間の分を代行費用として受け取ります。
一方、廃車買取業者は解体から素材の販売までを自社や提携先で行います。取り次ぎではなく、その車から収益を生む側にいるため、引き取りと手続きの費用を負担できます。
1台の車が解体されるまでの工程
実際にどう分解され、どこでお金になるのかを順に見ていきます。
- 引き取り…自走できる車は運転して、動かない車は積載車で運びます
- 液類の抜き取りとフロン類の回収…ガソリン、オイル、冷却水、エアコンのフロン類を法律にもとづいて処理します
- エアバッグ類の処理…作動させて安全な状態にするか、取り外して処理します
- 使える部品の取り外し…ここが中古部品としての収益になる工程です
- 車体のプレスと破砕…残った車体を圧縮し、破砕して素材ごとに分けます
- 素材の選別と販売…鉄、アルミ、銅などに分けて素材として売ります
4番の「使える部品の取り外し」が、金額の差が最も出る工程です。同じ車種が国内にたくさん走っていれば、修理のために部品を探している人がいます。だから登録台数の多い車は評価が上がりやすくなります。
逆に、5番の素材としての価値はどの車にもあります。乗用車1台にはおよそ1トン前後の金属が使われているためです。部品としての需要がない車でも、この分は残ります。これが「値段がつかない車でも0円で引き取れる」理由です。
自動車リサイクル法という前提
廃車の扱いは、業者が自由に決めているわけではありません。自動車リサイクル法という法律のもとで、役割と手順が決められています。
| 役割 | 行うこと |
|---|---|
| 引取業者 | 使用済自動車を引き取り、システムに登録します |
| フロン類回収業者 | エアコンのフロン類を回収します |
| 解体業者 | 部品を取り外し、車体を解体します |
| 破砕業者 | 車体を破砕し、素材ごとに分けます |
この流れは自動車リサイクルシステムに記録されます。誰が引き取り、いつ解体されたかが残る仕組みです。永久抹消登録に必要な「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」も、この記録から出てきます。
つまり、廃車の処理は記録に残る前提で動いています。「無料」であることと、いい加減に扱われることは別の話です。
リサイクル料金はどこへ行くのか
車を持っている方は、リサイクル料金をすでに預けています。新車購入時、または車検のタイミングで預託される仕組みです。この料金は次の3つの処理に使われます。
- フロン類…エアコンの冷媒。大気に放出しないよう回収します
- エアバッグ類…安全に処理する必要があります
- シュレッダーダスト…破砕したあとに残る、素材として取り出せない部分です
預託済みであれば、廃車のときに追加で払うことはありません。ただし解体すると、預けた分は戻りません。本来の目的に使われるためです。輸出される場合のみ返還の対象になります。
リサイクル料金はいくらか
金額は車種によって差があります。エアバッグの個数とエアコンの有無で変わるため、同じクラスの車でも一律ではありません。
| 車の区分 | リサイクル料金の目安 |
|---|---|
| 軽自動車 | おおむね7,000〜16,000円 |
| 普通車(小型) | おおむね10,000〜18,000円 |
| 普通車(大型・輸入車など) | 2万円を超えることもあります |
この中には、シュレッダーダスト・エアバッグ類・フロン類の処理費用に加えて、情報管理料金(130円)と資金管理料金が含まれています。情報管理料金は、リサイクルの記録をシステムに残すための費用です。誰がいつ引き取り、いつ解体したかを追えるようにするための仕組みに、あらかじめお金が割り当てられているということです。
ご自身の車の金額は、車内に保管されているリサイクル券で確認できます。券が見つからなくても、自動車リサイクルシステムの照会で預託状況を確認できますので、手続きに支障はありません。
取り外された部品はどこへ行くのか
「部品が収益になる」といっても、どこで誰が買うのかが分からないと納得しにくいと思います。行き先は大きく3つです。
| 行き先 | どう使われるか | 需要のある部品 |
|---|---|---|
| 中古部品として国内で販売 | 修理工場や整備工場が、修理費を抑えるために使います | ドア、バンパー、ライト類、内装部品 |
| 再生部品(リビルト品)として加工 | 分解・清掃・交換をして、新品に近い状態に戻して売られます | エンジン、オルタネーター、エアコンのコンプレッサー |
| 海外へ輸出 | 同じ車種が走っている国で、補修部品として使われます | エンジン、ミッション、足回り |
つまり、あなたの車の部品を必要としている人が別の場所にいるということです。国内の登録台数が多い車種ほどこの需要が安定するため、評価が上がりやすくなります。
逆に、生産台数が少ない車種や、すでに部品を外して売却済みの車は、この部分の収益が見込めません。その場合は素材としての評価が中心になります。金額の決まり方は廃車の買取相場の記事で詳しく扱っています。
「無料」に隠れた費用はないか
仕組みとして無料が成り立つことは説明したとおりですが、すべての業者が同じ範囲を無料にしているわけではありません。確認しておきたいのは次の3点です。
- 引き取り費用の扱い
無料の業者と、距離により有料の業者があります。動かない車は積載車になるため、ここは必ず確認します - 抹消登録の代行が含まれているか
引き取りだけで登録が残ると、翌年も自動車税が課されます。完了を書面や連絡で確認できるかを聞きます - 還付金を誰が受け取るか
自動車税や自賠責の返還分を買取額に含める業者と、別途返す業者があります。手取りが変わります
この3点が明確であれば、金額が0円でも不利な取引ではありません。逆に、提示額が高くても引き取りが有料で還付金も業者が受け取る形なら、手取りは下がります。比べるのは提示額ではなく、最終的に受け取れる金額です。
還付金の仕組みは還付金の記事、費用の内訳は廃車費用の記事で整理しています。
「どんな車でも○万円」という表示をどう読むか
廃車買取の広告では「どんな車でも10万円」「最低保証あり」といった表示を見かけます。これは仕組みのうえで不可能な数字ではありません。ここまで見てきたとおり、部品・素材・輸出という3つの出口があるためです。ただしその金額が出るのは、3つの出口のどれかに当てはまる車だけです。
表示されている金額は、多くの場合その業者が扱った中での上限か、条件を満たした場合の金額です。条件は年式・車種・部品の状態・登録が残っているかなどで、広告の本文や注記に書かれていることがほとんどです。
表示を疑う必要はありませんが、自分の車がその条件に当てはまるかは別の話です。確認するのは次の3点で足ります。
- その金額になる条件は何か
車種や年式の指定があるのか、部品が使える状態であることが前提なのかを聞きます - 自分の車で見積もるといくらか
広告の金額ではなく、車台番号や走行距離を伝えたうえでの金額を出してもらいます - 現車を見たあとに変わることがあるか
電話やWebでの提示額と、引き取り時の最終金額が同じかを確認します
「話が違った」と感じるケースの多くは、金額そのものよりこの3点の確認が抜けていたことで起きています。提示された時点で書面かメールに残しておくと、あとで食い違いません。
状態別に金額がどう動くかは廃車の買取相場の記事、走行距離が10万キロを超えている車の見られ方は過走行車の買取相場の記事で整理しています。
申し込む前に確認しておきたいこと
仕組みを理解したうえで、業者を選ぶときに見ておくとよい点をまとめます。
- 引取業・解体業の登録や許可があるか
自動車リサイクル法にもとづく登録・許可を受けた事業者かどうかを確認します - 見積もりの内訳を出してもらえるか
買取額、引き取り費用、代行費用、還付金の扱いを分けて示してもらいます - 引き取り後に金額が変わることがあるか
現車を見てからの再査定があるのかを事前に聞いておきます - キャンセルの扱い
見積もりを取ったあとに断れるか、費用が発生するかを確認します
これらは特別なことではなく、普通の業者であれば答えられる内容です。答えが曖昧なまま話を進めない、というだけで十分に防げます。業者の選び方は廃車買取の記事で詳しく扱っています。
車を引き渡す前にやっておくこと
仕組みが分かって依頼先を決めたら、引き渡しの前に確認しておくことがあります。渡してしまうと取り戻せないものが車の中に残っていることがあります。
- 車内の私物を回収する
グローブボックス、トランク、シート下、サンバイザー。駐車券や小銭も忘れやすい場所です - ETCカードを抜く
本体は車についたままで構いませんが、カードは必ず抜いてください - カーナビの登録情報を消す
自宅の登録地点、走行履歴、接続したスマートフォンの情報が残ります - ドライブレコーダーの記録媒体を取り出す
SDカードは本体に挿さったままになりがちです - 車内の書類を探す
自賠責保険証明書とリサイクル券は車内にあることが多い書類です
ナンバープレートは業者が引き取りのときに外していきますので、自分で取り外す必要はありません。スペアキーがあれば一緒に渡してください。手元に残しておいても使い道がありません。
用意する書類は、車検証と印鑑が基本です。状況によって追加になるものは必要書類の記事にまとめています。
引き渡してから入金までの流れ
「即日入金」「即金対応」という表示も広告でよく使われます。ここも仕組みを知っておくと読み方が変わります。入金の早さを決めているのは業者の姿勢というより、書類が揃うタイミングだからです。
おおまかな順序は次のとおりです。日数は業者と車の状態によって幅があるため、申し込みのときに確認してください。
- 申し込みと金額の提示
- 引き取りの日程を決め、必要書類を揃える
- 車の引き取りと、書類の受け渡し
- 買取額の入金
- 解体と、抹消登録の完了
- 抹消の完了通知が届く
- 自動車税などの還付
ここで押さえておきたいのは、入金と抹消登録の完了は別のタイミングだという点です。先に入金があっても登録が残っていれば税は止まりません。逆に、抹消が済むまで入金しない運用の業者もあります。
- 書類が揃わないと入金は進みません
実印・印鑑証明・委任状などが不足していると、そこで止まります。早さを求めるなら書類の準備が要点です - 抹消の完了は後日になります
引き取り当日には終わりません。完了通知が届くまでは書類を保管しておきます - 還付金はさらに後です
抹消が済んでから手続きが進むため、入金とは別の時期になります
還付が振り込まれる時期は自動車税の還付はいつ振り込まれるかの記事で扱っています。必要な書類は廃車に必要な書類の記事にまとめました。
廃車買取の仕組みに関するよくある質問
無料なのに、なぜ買取金額まで出せるのですか?
解体後の部品と素材の売上が、引き取りや手続きにかかる費用を上回る場合があるためです。上回った分を買取額として提示できます。上回らない場合でも、素材の分で費用をまかなえれば0円での引き取りが成り立ちます。
動かない車でも本当に値がつくのですか?
つくことがあります。廃車買取は解体を前提としているため、走れるかどうかは評価の中心ではありません。判断されるのは、使える部品が残っているかと素材としての量です。ただし金額を保証するものではなく、車種と状態によって変わります。
個人情報やカーナビのデータはどうなりますか?
カーナビの登録地点や履歴、ETCカードの情報などは、引き渡す前にご自身で消去しておいてください。業者が消してくれるとは限りません。車内の書類やドライブレコーダーの記録媒体も忘れずに取り出しておきます。
解体されたことはどうやって確認できますか?
自動車リサイクルシステムに記録が残ります。移動報告番号と解体報告記録がなされた日を業者に確認してください。抹消登録が完了すれば、登録上もその車は存在しない状態になります。
引き取りに来た業者が解体業者とは限らないのですか?
限りません。自動車リサイクル法では引取業・解体業・破砕業がそれぞれ登録・許可を受ける仕組みになっており、引き取る会社と解体する会社が別なのは普通のことです。大事なのは、どの会社が引き取ったかがシステムに記録され、解体まで追えることです。
買取額が0円と言われました。断ってもよいですか?
断って構いません。ただし、0円は「価値がない」という意味ではなく、引き取り・解体・手続きの費用と相殺されている状態です。他社ならその費用の見方が違って金額がつくこともありますので、比べるなら2〜3社に絞って条件をそろえて聞いてください。
ディーラーに頼むと損なのですか?
損ということではありません。買い替えと同時に一括で任せられる利点があり、費用はその手間に対するものです。費用を抑えたいか、手間を減らしたいかで選ぶ話になります。依頼先ごとの違いは依頼先の比較記事で並べています。
廃車買取のからくりのまとめ
要点は3つです。
- 収益は解体後の部品と素材から出ている…取り次ぎではなく、その車から収益を生む側にいます
- 処理は法律にもとづき記録に残る…無料であることと、扱いが雑であることは別です
- 確認するのは3点…引き取り費用、抹消登録の代行、還付金の扱いです
仕組みが分かれば、0円という提示も不自然ではないと納得できます。実際の金額の決まり方は廃車の買取相場の記事、手続き全体の流れは廃車手続きの解説記事をご覧ください。

コメント